水木しげる記念館 企画展『たたかう鬼太郎』10月4日まで開催中!
鳥取県境港市の水木しげる記念館で、企画展『たたかう鬼太郎』が2026年10月4日(日)までの会期で開催中だ。

水木しげる記念館の展示は、常設展示室と企画展示室にわかれている。
常設展示室は、水木しげる氏の人生を追体験できる内容を6章構成で展開されている。
※「特集【水木プロダクションの挑戦】「水木しげる記念館 リニューアルオープン レポート」参照
企画展示室は、テーマに沿った漫画原画の展示を行うスペースで、年に2回展示替えが行われている。
企画展『たたかう鬼太郎』展示紹介
企画展『たたかう鬼太郎』では、鬼太郎の活躍を3つのポイントで分類して原画を紹介している。
3つのポイントは以下だ。
① 超能力で戦う鬼太郎(自分の持つ能力で戦う)
② 仲間と一緒に戦う鬼太郎
③ 目玉おやじと一緒に戦う鬼太郎
それぞれの内容と見どころを紹介していこう。
超能力でたたかう鬼太郎

「髪の毛針」や「霊毛ちゃんちゃんこ」などで知られている鬼太郎自身のユニークな能力。これらを使って戦う場面の原画が展示されている。
展示室で、まず目に飛び込むのは天井から吊るされた大きなオノマトペ(擬音・擬態効果音)だ。水木漫画の「雰囲気」を演出する特徴的なオノマトペが空間にあることで、まるで水木漫画の世界に飛び込んだかのような感覚になる。絶妙な大きさで作られており、来場客は漫画のキャラクターのような比率になる。

少年漫画誌ではじめて掲載された鬼太郎のエピソード「手」をはじめ、「水虎」や「ダイヤモンド妖怪」などから名場面の原画が展示されている。
「ダイヤモンド妖怪」の原画では、欄外に数字が多数書き入れられているのが見て取れる。これは製本の際のページ数の指示だという。いくつもの数字があり線で消されているのは、新しい版として印刷される際にページが変わるので、その都度前のページ番号を消して、新たなページ番号を入れるからだ。
こういった、印刷物からでは絶対にわからないものが見られるのも、原画展示ならではの楽しみだ。
仲間たちとたたかう鬼太郎

鬼太郎の魅力は、鬼太郎を助けてくれる仲間たちの存在だ。ふたつ目のコーナーでは、仲間たちと協力して戦う鬼太郎の場面が抽出して紹介されている。
砂かけ婆や一反もめん、ぬりかべなど、いわゆる「鬼太郎ファミリー」が最初に集結して西洋妖怪と戦った「妖怪大戦争」、ねずみ男が鬼太郎を助ける「妖怪城」、「吸血鬼エリート」などの名場面の原画を展示。
原画展示を見て改めて感じるのは、主に背景に見られる「細密な描きこみ」の凄さだ。印刷では、潰れてしまいかねない精細な描きこみを、間近でじっくり鑑賞できるのも原画展示のダイナミズムのひとつ。
目玉おやじとたたかう鬼太郎

そして3つ目のコーナーでは、鬼太郎を助ける父・目玉おやじにフォーカスする。
鬼太郎にとって、ただひとりの家族であり、常に深い愛情をもって鬼太郎を見守る目玉おやじ。
その深い愛情と、目玉おやじにも驚くべき能力があることが描かれたエピソード「逆餅殺し」と「まぼろしの汽車」の名場面が紹介されている。
本企画展のねらい

企画展を担当した学芸員の坂本茜さんは、今回の企画のねらいをこう話す。
「前期の展示期間には、ゴールデンウィークや夏休みがあるため、ご家族連れの方が増えます。そこでお子様にも楽しんでいただけるよう<鬼太郎>をメインにしました。さらに、あまりくわしくない方でも楽しんでいただけるよう、<鬼太郎の活躍シーン>をメインに取り上げました。展示方法としては、“没入感”と“色”を意識しています。天井からオノマトペを吊ったり、コウモリを飛び出させ、展示空間が漫画の世界になるように演出。また、漫画の原画はモノクロのものが多いので、3つのポイントそれぞれにテーマカラーをつけたり、展示上のアクセントとしてカラーイラストを大きく配置しました。」
来館者の反響

これまでの来館客の反応も上々だ。坂本さんはこう説明する。
「展示の冒頭に、展示概要をつけているのですが、テキストは総ルビにしています。子どもたちが、それを読んでから原画を見てくれて、子どもたちの原画鑑賞の機会が増えたように感じています。
また企画展の最後のゾーンはフォトスポットなのですが、今回は鬼太郎の下駄の上に乗れるので、大変人気でした。」

この鬼太郎の下駄は、かつて東京調布市の深大寺境内にあったころの「鬼太郎茶屋」の屋根上にあった装飾物。それを改修して使用したそうだ。
次回の企画展は『悪魔くん 埋れ木真吾の冒険』

2026年10月10日(土)からは、2026年度後期企画展『悪魔くん 埋れ木真吾の冒険』が始まる。
『悪魔くん』は、貸本時代から断続的に執筆された作品で、執筆時期により主人公と世界線が異なっている。最初に執筆されたのが、松下一郎を主役とするもの。次に描かれたのが、1966年にテレビドラマ化もされた山田真吾が主役のもの。そして3番目に登場したのが1989年のテレビアニメ化のタイミングに合わせて執筆された、埋れ木真吾を主役とするもの。掲載誌の誌名から「コミックボンボン版」とも呼ばれているものだ。
今回の展示は、この3番目の世界線である「コミックボンボン版」の原画展示を行う。
「悪魔くん」と呼ばれる少年・埋れ木真吾と、十二使徒と呼ばれる仲間たちとの戦いと冒険を、5つのトピックと原画で紹介する展示になるという。
いまなお絶大な人気を誇る1989年アニメ版『悪魔くん』の原作作品の原画展示。
アニメ版のファンのみならず、多くの方にご覧いただきたい。
※10月5日(月)~10月9日(金)は展示替え作業のため企画展示室はクローズ
境港も新たな装いでお出迎え

JR境港駅前の観光案内看板も今年4月にリニューアルされている。
これまでは山陰地区全体の観光案内だったが、水木しげる記念館に至る水木しげるロードのイラストマップと境港市広域案内図に刷新された。
水木しげる記念館へのイラスト・ルートマップは、水木しげる記念館のイラスト・フロアマップとともにガイドマップとして、水木しげるロード内の代表的な店舗で配布されている。水木しげるロードを訪れた際にはぜひ手に取ってごらんいただきたい。

このイラストフロアマップは、水木しげる記念館の前庭にも大型看板として掲出され、記念館の内部がどうなっているのか、訪れた観光客にわかるように配慮されている。
毎回、非常に魅力的な企画が展開されている水木しげる記念館の企画展。首都圏からは少し遠いが、関西や山陽エリアからは日帰り旅行が可能な場所だ。ぜひ半年に1度内容が変わる企画展を見にいってほしい。
取材・構成:ヤマモトカズヒロ
©水木プロダクション
【企画展「たたかう鬼太郎」】
会期:2026年4月11日(土)~2026年10月4日(日)
【企画展「悪魔くん 埋れ木真吾の冒険」】
会期:2026年10月10日(土)~2027年4月11日(日)
会場:水木しげる記念館
開館時間:9:30~17:00(最終入場 16:30)
休館日:年中無休
※10月5日(月)~10月9日(金)は展示替え作業のため企画展示室はクローズ
入館料:一般1000円、中高生500円、小学生300円、障がい者300円。、未就学児無料
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Writer
ヤマモトカズヒロ
(やまもとかずひろ)
エンタテインメント作品宣伝稼業。主な担当作品:『悪魔くん』『PUI PUI モルカー』『この世界の片隅に』『ケータイ捜査官7』『午前十時の映画祭』『映像∞文化のまち ねりま』『調布シネマフェスティバル』など。VECTOR Magazine編集部所属。
Xアカウント:ヤマモトカズヒロ(@yamamotokaz)






