読み始めたら止まらない、映画本の世界へようこそ
Index
書店の映画本コーナーはワンダーランド
ジュンク堂書店 池袋本店
確かに映画本の点数は増えてはいるものの、そもそも映画本は発行部数が少ない。ゆえに自宅近くの中規模書店でほしい映画本を探してもまず見つからず、どうしてもネットで購入することが多くなってしまう。だが本好きならば、ここはやはりリアル大型書店の映画本コーナーにこそ出向きたい。一度足を踏み入れれば、そこは一日じゅう居すわりつづけてでも本を読みたくなる、誘惑いっぱいのワンダーランドなのだ。
エレベーターを9階で降りると、すぐに映画本コーナーが。両脇本棚16列全て映画本。壮観だ。
エスカレータ近辺にある一番目立つ棚は、映画雑誌など。
話題の監督の本などはジャンルを問わず、平置きして、表紙を見せるように心がけているという。
この棚はほとんど俳優関連の本(著書、インタビュー、研究本)で埋め尽くされている。
定番の監督研究本(著作含む)は、本棚3列にわたっていた。
『サメ映画大全』サメ映画には無限の可能性がある。『ジョーズ』を超えること以外は〜のコピーがいい!新書や文庫の売り場は別の階になるが、少しでも映画に関係すれば、もちろん映画本コーナーに。また小説、建築やファッション書など、SNSで紐付かれて、ときどき意外な本が、別のコーナーから持ち込まれることもあるという。だから、これだけあってもつねに棚は足りない。
映画学科の学生が多く訪れるそうで、脚本や作劇術の本には力を入れている。「定番のいわゆる評論本や監督本というのは、最近大ヒットはないんですが、やはり山田宏一さんや蓮實重彥さんの本などはコンスタントに出ますし、直近では『ユリイカ』2021年10月号の円谷英二特集(青土社)や『ジョージ・A・ロメロの世界 映画史を変えたゾンビという発明』(2021, Pヴァイン)も動いていますね。全体的な傾向としては、ちょっとお高めなビジュアル本が意外と売れています。去年の『メイキング・オブ・TENET テネット クリストファー・ノーランの制作現場』(2020,玄光社)は本当にすごかったです。コロナ禍で映画の公開も延びて本が先行したり、近くに上映していた大きな劇場もありますし、いろんな要素があったとは思うんですが、パパパッと動いて、当店だけで120冊ぐらい売れたんです。同じような世界発売の翻訳本として『ウェス・アンダーソンの風景 世界で見つけたノスタルジックでかわいい場所』(2020, DU BOOKS)もよく出ました。これは映画の本というには微妙で、アンダーソンの映画にインスピレーションを受けた写真家が彼の映画に出てきそうな風景を集めた写真集なんですが、すごく美しいんです。最近はとにかく1本の映画からこんな側面があったんだというほど、いろいろな切り口の本が出ているんですよ。企画力がすごいというか、本当に驚きます」
『Vision』を置いている棚。
シナリオの本は2列14段を使っても置き切れないほどあるそう。
こちらは手前が技術書、奥が評論が並ぶ。「『日本映画作品大事典』(2021,三省堂)が出たときは、あのボリュームですし、まずは中身を見ていただきたいと思って、ポップをつけて平台に陳列し、自由に読んでいただけるようにしました。若い人にこそ読んでいただきたい本ですし」
出版社や著者と綿密な打ち合わせをしてのイベントも定期的に行っているが、いまはオンラインとなってしまうのが残念だという。
「昨日は宇多丸さん、水道橋博士さんにご協力いただき、『森田芳光全映画』(2021, リトルモア)のイベントを開催して多くのお客様にZOOMで参加いただいたのですが、コロナ禍でまだ店内でのイベントができないんですよ。ただ普段の書店にもどんどんお客様が戻ってきていますので、頑張っていきたいと思います」という富塚さんに今後の抱負をお聞きすると、「映画本に特化したような特別な棚を作りたいなという思いはあるんですが」とのこと。コロナ禍がさらに収束に近づき、店内でのイベントも復活したころ、富塚さんの思いがかなっていることを期待したい。
「昨日は宇多丸さん、水道橋博士さんにご協力いただき、『森田芳光全映画』(2021, リトルモア)のイベントを開催して多くのお客様にZOOMで参加いただいたのですが、コロナ禍でまだ店内でのイベントができないんですよ。ただ普段の書店にもどんどんお客様が戻ってきていますので、頑張っていきたいと思います」という富塚さんに今後の抱負をお聞きすると、「映画本に特化したような特別な棚を作りたいなという思いはあるんですが」とのこと。コロナ禍がさらに収束に近づき、店内でのイベントも復活したころ、富塚さんの思いがかなっていることを期待したい。
