圧巻の音楽と映像美！『劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【前編】 青春狂走曲』公開

物語は、高校を中退した主人公・仁菜が、新幹線で上京するところからスタート。ストリートライブを観に来た仁菜は、あこがれの人である桃香が、売れるためにアイドルバンド路線に変更された“ダイダス”ことダイヤモンドダストを脱退し、音楽もやめるつもりだと知る。
劇場版では、仁菜と桃香の関係がよりフォーカスされていて、挫折を味わったことで、これ以上傷つかないようにプロの世界やダイダスから目をそらす桃香と、彼女の音楽が好きだからこそ”逃げ”を許さない仁菜の衝突が描かれる。観た人の心になにより強烈なインパクトを与えるのが、この仁菜のキャラクターだ。不登校になり高校を中退した彼女は「負けたくないから。間違ってないから」という一心で、熊本から東京に出てきた。頑固でこじらせまくった性格のせいで、優しくしてくれた相手の好意に甘えることすらできずに涙するシーンもある。それでも、器用に立ち回ることなど知らない、知りたくもないというような、まっすぐすぎる仁菜の在り方が、物語を力強く牽引する。

トゲナシトゲアリのメンバー。左から、美怜（Dr、安和すばる役）、夕莉（Gt、河原木桃香役）、理名（Vo、井芹仁菜役））、朱李（Ba、ルパ役）、凪都（Key、海老塚智役）。

劇中バンド“トゲトゲ”ことトゲナシトゲアリのメンバーは、Aimerのプロデュースなどで知られるagehaspringsの玉井健二により、1年以上もの時間をかけてオーディションで選出された理名（Vo）、夕莉（Gt）、美怜（Dr）、凪都（Key）、朱李（Ba）の5人。演奏とキャストをつとめる彼女たちは、アニメに先駆けて2023年7月に公開練習ライブでデビューして以来、国内外でライブを重ね、2025年9月23日には「トゲナシトゲアリ LIVE in 日本武道館 “奏檄の叫”」を成功させた。劇中で仁菜が「ここで歌えたら間違ってなかったって思えるよね」と語った夢のステージ・日本武道館に、リアルバンドが一足先にたどり着いた形だ。
さらに来年2月から北は札幌、南は福岡まで全国6都市を巡る初の全国ツアー「トゲナシトゲアリ ZeppTour2026 “拍動の未来”」の開催も決定。ライブバンドとしての地位を着実に築きつつある。

日本武道館でのライブを成功させたトゲナシトゲアリが、全国ツアーをスタート。2026年2月11日の神奈川・KT Zepp Yokohamaを皮切りに、福岡・愛知・北海道・大阪・東京の計6都市で全7公演を予定している。

『トゲナシトゲアリ 4th ONE-MAN LIVE “協奏の響”』

発売日：2025年10月22日(水)
Blu-ray：UMXK-1133 / DVD：UMBK-1348
価格：Blu-ray 8800円 / DVD 7700円（税込）
仕様：デジジャケット仕様 / 三方背スリーブケース

4th ONE-MAN LIVEの模様を収録したBlu-ray&DVDが発売決定！　パッケージには、2026年3月14日に開催予定のツアーファイナル（Zepp DiverCity）のチケット最速先行抽選申し込み券シリアルが封入される。

ハイクオリティなのは音楽だけではない。アニメの制作陣には、監督に酒井和男、プロデューサーは平山理志、そして脚本が花田十輝（TVアニメではシリーズ構成）と、『ラブライブ』シリーズを大ヒットさせたスタッフが集結。
特筆すべきは、イラストルックの3DCGアニメーションでの制作だ。1秒間に12コマ以下の画像で描く通常のリミテッドアニメーションではなく、1秒間に24コマの画像により滑らかな動きを実現するフルアニメーションで、キャラクターデザイン・手島nariのイラストがそのまま躍動しているかのような映像を構築。
CGディレクターには『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』の鄭載薫と『THE FIRST SLAM DUNK』の中沢大樹が名を連ねる。キャラクターの表情にもこだわり、日常のなにげない芝居も繊細に描いている。本作を観れば、従来の3DCGアニメのイメージが覆されるはずだ。

開発発表から続報が待たれていた公式ゲームのティザームービーとビジュアルが解禁！　現状ではゲームジャンルが伏せられており、ファンの間でもどんなゲームに仕上がるのか、期待と想像と妄想がふくらんでいる。
ゲーム公式サイト

11月14日公開の『劇場版総集編 ガールズバンドクライ 【後編】 なぁ、未来。』では、古巣のダイヤモンドダストと向き合う桃香、故郷の父と向き合う仁菜、そしてプロの世界の厳しさに直面する”トゲトゲ”メンバーの奮闘が描かれる。
さらに、完全新作映画の製作も決定。仁菜たちのむき出しの青春と、トゲトゲの未来から、今後も目が離せない！

TEXT：中島文華