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市内各所で盛り上がる「こうの史代展」巡回2カ所目 福知山展レポート

明智光秀が築いた城でライブペインティング

展示と並行して、イベントも各種企画された。6月15日、16日は、福知山城天守閣の2階・竜王の間で、ライブペインティングを開催。これは、4月30日に石川県珠洲市大谷町の仮設住宅集会所でスタートして、5月に金沢21世紀美術館で3日間行われたライブペインティングの続き。「不死鳥(仮題)」と題された作品は、福知山の2日間でもまだ完成せず、続く佐倉展に作業は持ち越された。開催日は、明智光秀が築いた福知山城で、さらに将棋の竜王戦の舞台として2度使われた竜王の間で、こうの史代がライブペインティングを行うということで、こうの史代展会期中、もっとも多くの人が会場に足を運んだ。
ライブペインティングの経過はこちら

  • 三重三階の大天守と二重二階の小天守で構成される天守閣は、1986年に復元されたもの。復元天守とはいえ、明智光秀が築城した城で現在唯一の天守閣がある城であり、北近畿エリアで唯一天守閣のある城。さらに、京都府内で唯一の”登れる”天守閣がある城として知られている。
  • 天守前から北を望む。北には、かつての城下町が発展した町並みが広がっている。
  • 福知山城は、福知山盆地の中央に突き出た丘陵の先端にあり、東と北、西は断崖となっているため、天守からは抜群の眺望が楽しめる。
  • 史上初の”お城将棋”として話題を集めた第31期竜王戦 七番勝負 第4局(羽生善治竜王 対 広瀬章人八段)と、史上初の八冠全冠制覇が期待され当時六冠の藤井聡太竜王の初防衛戦となった第35期竜王戦七番勝負 第4局(対 広瀬章人八段)の舞台となった竜王の間。2025年は、こうの史代のライブペインティングの舞台に。
  • 天守閣入り口では「麒麟のいる街」の展示も。
  • 天守閣では「こうの史代×福知山城 特別アート御城印」を数量限定で販売。福知山城では、記念御城印の企画に積極的で、2024年には福知山市が「みつひデー」としている3月21日を記念した「みつひデー記念御城印」を制作。

福知山シネマに掲げられた肉筆懸垂幕

もうひとつの見どころが、福知山城の北西にある福知山シネマ。ここは、こうの史代のトークショーや、映画『この世界の片隅に』の上映やパネル展示を行ったこともある映画館。こちらでは、4月末から『空色心経』『ヒジヤマさん 星の音 森のうた』の2作品を元にした架空の映画懸垂看板を掲示。さらに、6月29日には、福知山シネマにてライブペインティングも開催された。開場前から並ぶファンが出るなど、こちらのイベントも大盛況となり、延べ200人が作品の完成を見守った。6月29日当日の様子はこちら。また、映画の幕間には、こうの史代の作画風景を撮影した動画(展覧会会場で展示上映)のダイジェスト版が随時上映された。

  • 2007年に、かつての福知山東宝・スカラ座をリニューアルオープンして誕生した福知山シネマ。福知山市唯一の映画館として市民に親しまれている。
  • 誇らしげに掲げられた手書きの懸垂幕。商業施設と融合したシネコン全盛の現在では、屋外でポスターや懸垂幕が見られるのも貴重な機会だ。

こうの史代展いよいよ関東へ

福知山での「こうの史代展」は、展示だけでなく各所でのイベントが連動し、この場所ならではの作品との触れ合いや、ライブ感あふれるイベントの数々で貴重な体験を提供していた。こうの史代展をきっかけに福知山を訪れた人は、明智光秀が城を築き、こうの史代が創作の拠点とした福知山の魅力を感じ取れたに違いない。
『漫画家生活30周年 こうの史代展 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり』の巡回は、まだまだ続く。つぎの開催地は千葉県佐倉市。こうの史代にとっては、『ぼおるぺん古事記』の取材で、国立歴史民俗博物館を訪れた縁ある地だ。会場は佐倉市立美術館。大正期の銀行の建物をエントランス部に持つ趣ある美術館で、どんな展示が行われるのか期待が高まる。【VECTOR magazine】では、佐倉展のレポート記事も掲載予定なので楽しみにしてほしい。

【展覧会情報】
漫画家生活30周年 こうの史代展
鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり

会場:福知山市佐藤太清記念美術館
   京都府福知山市字岡ノ32-64
   公式サイト:
https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/soshiki/7/2024.html
会期:2025年6月8日(日曜日)~7月27日(日曜日)
   前期展示6月8日(日曜日)〜7月6日(日曜日)
   後期展示7月9日(日曜日)〜7月27日(日曜日)
開場時間:9:00〜17:00(入場は16時30分前まで)

くわしくは福知山市の公式サイトをご確認ください

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