迫力!『ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ』の全貌
2025年8月1日。「西武園ゆうえんち」のライドアトラクション最新作『ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ』がオープン。多くの来場者を集めている。開催された内覧会の模様とともに、その体験試乗のレポートをお届けする。
『ゴジラ-1.0』スタッフによる最新作がお披露目

前作『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』は、2021年5月に「西武園ゆうえんち」リニューアルの目玉としてオープン。昭和の東京を舞台に、ゴジラとキングギドラの死闘を間近で見られる大型ライド・アトラクションとして、絶大な人気を博してきた。監督は山崎貴。VFX制作は白組。この制作チームは、その後『ゴジラ-1.0』(2023年)にたずさわり、2024年3月に米ハリウッドで行われたアカデミー賞授賞式で視覚効果賞を受賞する快挙を達成した。
そして同制作チームが再集結して手がけたのが、本作『ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ』だ。前作のキングギドラに対して、今回は対戦相手にメカゴジラが登場し、さらにバージョンアップしたCGを駆使して描かれている。
まずは本作の基本設定を説明しよう。
「日本に再び出現したゴジラは、湾岸地域を襲撃後、海中に姿を消した。いまなお近海に潜伏中と見られるゴジラに対し、政府は巨大生物緊急防衛部隊EDGE(エッジ=Emergency Defense against Gargantuan Encounter)の出動を要請。開発に成功したゴジラ制圧兵器<ゼロ式機獣 Gブレイカー>の投入を決定するとともに、旗艦船「グースネスト」を湾岸地域に展開し、艦載の索敵艇「グースワン」「グースツー」でゴジラの索敵・監視を開始する。EDGEは民間人を含む、監視隊員の積極的参加を呼びかけた……。」
というもの。
ライド搭乗者は、この民間からの監視隊員となり、「グースワン」に乗り込むことになる。
『ゴジラ-1.0』後だからこそ、可能になった新たな表現
7月31日、西武園ゆうえんちでは、山崎貴監督と『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』の看板モデルを務めた俳優・福本莉子による記者会見が行われた。
山崎監督がライドアトラクション映像を手がけるのは『ゴジラ・ザ・ライド 大怪獣頂上決戦』、『ウルトラマン・ザ・ライド 世紀の大決闘』に続いて、これが3作目。「3本目となると過去2本を越えなければならない。そのためにはどうしたらいいのかをいろいろと考えました」
そのひとつは『ゴジラ-1.0』でハリウッドでも高い評価を受けた「CGによる海の表現」を、さらに推し進めることだった。「これが予想以上に大変なことになりました。波がライドの搭乗者に迫ってくるということは、それだけ水を繊細に作らなければならない。さらにライド映像は、ワンシーンワンカットなので波がどこまでも終わらない。しかも、全体的にクライマックスが続いて、それがシームレスにワンカットでつながっているので、作業物量がとてつもなく増えてしまって、CG作業がいつまでも終わらない。『もう、劇場版新作の準備があるのに!』と思いつつも、白組スタッフが細部までこだわり抜くので延々とやっていましたね(笑)」

もうひとつは、逆に劇場版ではできないことだった。
「メカゴジラは、一度自分なりのデザインでやってみたかったんですが、僕が監督している劇場版の世界線では登場させにくい。そこでいまがチャンス! と思い、東宝さんに『どうでしょうか?』とお願いしました。許可が出た時は、うれしかったですね。これまでのメカゴジラのデザインは東宝作品、ハリウッド作品、いろんなパターンがあって、すべてすばらしいのですが、それを越えたかった。自分が描いたデザイン画を、スタッフがさらにメカっぽくカッコよく仕上げてくれて、今回の<ゼロ式機獣 Gブレイカー>は、最高のメカゴジラになったんじゃないかと自負しています」

福本莉子は、会見に先駆けて本ライドに試乗し、興奮冷めやらぬ様子。
「まず最初にプレショー(アトラクション体験前にプレショールームでEDGE隊員役の俳優が登場、監視隊員となる搭乗者にゴジラ索敵任務の心得を解説する)があるんですが、その途中で<ゼロ式機獣 Gブレイカー>のモックアップがお披露目されるんです。その瞬間がカッコよくて! もう乗る前から期待が高まりましたね。ライドに乗ると、水しぶきはあびるわ、グースはトランスフォームするわ、何度もゴジラに食べられそうになるわで、スリル満点。ゴジラってこんな歯をしてるんだ! っていうぐらい全部見えます! アトラクションは得意なのですが、かなり怖くて感動の連続でした」
ファンが特にこだわるゴジラのデザインについては、前作と同じではなく「少しバージョンを変えていますが、それがどこかについては、ファンのみなさんに見つけていただきたい」(山崎)とのこと。
山崎監督は最後にこんなメッセージで会見を結んだ。「今回は音響もすごい。『ゴジラ-1.0』と同じチームがたずさわって、映像だけでなく、音も重厚な作品ができた。ぜひみなさんに震えあがっていただきたい」
体験試乗ルポ。究極の見どころはココだ!

会見後、試乗会にも参加した。
ライドに乗り込むと、さっそうと「グースワン」が発進! ゆるやかに海上を進むが、まもなく目の前に大きな背ビレが。さっそくゴジラからの正面攻撃である。いきなりの真打ち登場にたじろぐヒマもなく、海上はもちろん、海中に引きずり込まれてと、さまざまなパターンでゴジラとの接近戦が続く。スピード感に圧倒される前半戦では、この海バトルの表現の緻密さが半端ない。『ゴジラ-1.0』の制作で蓄積された水表現のノウハウが投入されただけのことはある。なお、映像に合わせて搭乗者が浴びる水しぶきは、暑い日はとても心地よい(取材日の最高気温は、32.6度)。
海バトル後「グースワン」は、母船「グースネスト」へ。一旦帰艦した後、空へ舞台を移して、後半戦へ。この海から陸地、空中へと舞台が移行する過程では、背景となる超高層ビル群などの湾岸地域の大パノラマの情景描写の妙が、広大なスケールを感じさせ、リアルなライド感をあおっていた。
クライマックスは、いよいよ<ゼロ式機獣 Gブレイカー>との最終決戦となる。飛行しつつもゴジラvsメカゴジラのバトルから逃げきれない我々は、この世紀の激戦を、頭ごしに、腕ごしに、尻尾ごしに、まさに双方の巨体をかいくぐるように体感。そして、最後には『ゴジラ-1.0』ファンにはたまらない最高の演出が待っている。あの背ビレがひとつひとつ飛び出していく熱線放射の過程が実にカッコよく描かれるのだ。これに対して、<ゼロ式機獣 Gブレイカー>がどのようなビジュアルで対抗するのか? が大きな見どころだが、それはみなさんが搭乗して確かめてほしい。
東宝、ゴジラのライドアトラクションを世界配給へ

2025年5月8日、東宝は、ゴジラのライドアトラクションの新規製作と全世界での配給事業を発表。その新規製作作品が、この『ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ』だ。本作は、台湾に本社を置くBrogent社のライドシステム「i‐Ride」を導入したもの。「西武園ゆうえんち」での世界最速オープンののち、全世界40施設以上で、順次公開される予定だ。
『ゴジラ-1.0』の欧米でのヒット、アカデミー賞での受賞、2025年8月のアメリカでの『シン・ゴジラ』の拡大リバイバル公開と、日本が産んだ「ゴジラ」は、ハリウッド(レジェンダリー)版ゴジラ映画のヒットともあいまって、急激に世界でその市場を拡大している。今回、東宝が打ち出したライドアトラクションの世界配給事業と、今後40カ国で展開されるという本作が全世界でどのような反響を得るのか? 注視していきたい。
TEXT:佐々木 淳
TM & ©TOHO CO., LTD.

『ゴジラ・ザ・ライド グレートクラッシュ』
公式サイト:
https://www.seibuen-amusement-park.jp/attraction/godzilla2.html
場所:西武園ゆうえんち 夕陽館
住所:〒359-1145 埼玉県所沢市山口2964
連絡先:04-2929-5354
体験時間:約15分(ライド時間約5分)
※4歳、身長100cm以上(130cm未満の方は18歳以上の保護者と同乗)
西武園ゆうえんち 公式サイト:
https://www.seibuen-amusement-park.jp/






