アニメ『攻殻機動隊』シリーズ横断展覧会 「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が開催!
アニメ『攻殻機動隊』シリーズを網羅したファン待望の展覧会「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」が開催中だ。ここでは、魅力的な展示の数々でファンの期待に応える展覧会の模様を紹介する。

いまや全世界にファンを持つ『攻殻機動隊』。士郎正宗による原作漫画『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』は、1989年〜1990年に「ヤングマガジン海賊版」(講談社)で連載され、1991年に単行本化。35年前にしてすでに、AIや電脳化、義体化といった最先端のビジョン、サイバーパンク的な設定が透徹されたハードSFのコア層をうならせる作品だった。ファン層が一気に拡大したのが、1995年、押井守監督による劇場用アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の公開である。それから30年余のあいだ、TVと映画版を併せて<攻殻>の世界は繰り返しアニメ化がなされ、原作の読者層も海を越えてひろがりを見せた。2017年には、ついにハリウッドで実写映画化(『ゴースト・イン・ザ・シェル』ルパート・サンダース監督、スカーレット・ヨハンソン主演)された。
これまでのアニメ化においては、押井守や神山健治、黄瀬和哉、荒牧伸志といった監督が士郎正宗原作の核をなす「ゴースト」と「シェル」の在り方を独自に解釈し、それぞれ異なる手法でテーマを掘り下げてきた。そしてその都度、ファンは各監督の考察を通じて、原作の持つ世界観の奥深さを体感してきたのである。
【『攻殻機動隊』アニメーションの変遷】
劇場用映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年/監督:押井守)
初アニメ化。パッケージ化で世界的なヒットを記録。
TVシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(2002年〜2003年/監督:神山健治)
原作者が関わるも、原作や映画とは異なる設定で展開。全26話。
TVシリーズ『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』(2004年〜2005年/監督:神山健治)
前TVシリーズのその後を描く。全26話。
劇場用映画『イノセンス』(2004年/監督:押井守)
映画版1作目の続編の位置づけも、オリジナルな展開に。
OVA『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』(2006年/監督:神山健治)
『2nd GIG』のその後を描く。
劇場用映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊2.0』(2008年/監督:押井守)
1995年公開作品を、押井監督監修の下、当時の最新技術でフルリニューアル。
劇場用映画『攻殻機動隊ARISE』(2013年〜2014年/監督:黄瀬和哉(総監督))
原作やこれまでの作品の前日譚が描かれる。4部作。
劇場用映画『攻殻機動隊 新劇場版』(2015年/監督:黄瀬和哉(総監督)、野村和也)
『ARISE』のその後を描く。
配信作品『攻殻機動隊 SAC_2045』(2020年、2022年/監督:神山健治、荒牧伸志)
シリーズ初のフル3DCGアニメ。
TVシリーズ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』(2026年放送予定/監督:モコちゃん)
サイエンスSARUが手がける新たな『攻殻機動隊』の世界。
そして今回、これらのアニメ『攻殻機動隊』すべてを横断する、ファン待望の展覧会が企画された。それが虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45Fの情報発信拠点「TOKYO NODE(東京ノード)」で始まった「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」である。
GALLERY A “NODE” (思考の結節点)

GALLERY A “NODE” (思考の結節点)全景
展覧会は、主として3つのGALLERYで展開されている。最初のGALLERY Aは、全アニメに共通する電脳世界を体感できる“NODE”(思考の結節点)と名付けられた近未来的巨大空間だ。

空間演出家・松山周平が手がけた「巨大電脳ネットワークビジュアライザー “Nerve Net”」
その空間に設置された8台のモニタで展開されているのが「巨大電脳ネットワークビジュアライザー “Nerve Net”」。これは全アニメを網羅したビジュアライズされた検索システムで、作品シーン、用語、人名、あらゆるキーワードが電脳世界を浮遊しており、それらをつかまえて検索することで深遠な『攻殻機動隊』の世界へ入っていける。

GALLERY A “NODE” (思考の結節点)に聳え立つように展開するデザイナー/美術作家・寺山紀彦によるオブジェ「“知の遺跡” “World Tree: Ghost and the Shell”」
さらに、この“NODE”は夜になると東京中心部の大夜景となる。そう、あの名場面である草薙素子のダイブシーンのような光景がリアルに展開されるのだ。“NODE”では会期中の夜、多彩なアーティスト、文化人、ミュージシャンを招き『攻殻機動隊』をテーマにしたTALKイベント、MUSICイベントが目白押しで、まさにこの空間こそが本展のキーワードである<電脳ダイブ>の象徴ともいえるだろう。
PATH A “STORY”(世界への導入)
GALLERY Bへと向かう小空間、ここにはアニメ全シリーズのポスターとともに、『攻殻機動隊』シリーズを手がけた4人の監督(先述した、押井守、神山健治、黄瀬和哉、荒牧伸志)の撮り下ろしインタビュー映像を見られる。各監督が目ざした、それぞれの『攻殻機動隊』とはなんだったのか? 特に押井守監督が後続の監督たちのテーマと自作を俯瞰して語る考察がおもしろい。
GALLERY B “DIG”(掘り起こす)

GALLERY B “DIG”(掘り起こす)全景
本展のメイン空間がこの“DIG”だ。1000平米近い大空間に集められた『攻殻機動隊』全アニメシリーズの設定資料や原画、背景美術、セル画は実に1600点に及ぶ。もちろん、ここで見られるのは貴重な現物(紙資料)である。それらがアニメ制作過程の解説とともに歴史を追って展開され、すべての工程に関わったスタッフの呼吸を感じ取れる展示となっている。さらに、このアナログ空間“DIG”にも本展らしい仕掛けが施されている。それが有料のARグラスを装着することで得られる「電脳VISION」である。ARグラスをかけ、場内の各ポイントに設置されたQRコードを読み取ると、眼前にタチコマが出現。原画にひもづく実際の場面を動画で見ながら解説が得られるという仕組みになっている。

空山基が草薙素子をモデルに制作した新作彫像「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type1」
制作年:2026年
©Hajime Sorayama. Courtesy of NANZUKA
©Shirow Masamune / KODANSHA
この大空間には、士郎正宗と親交の深い世界的現代美術家・空山基が草薙素子をモデルに制作した新作彫像「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type1」の世界初公開をはじめとして、現代アーティストが『攻殻機動隊』のテーマを2026年の表現として再解釈した作品の展示、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズでの「笑い男事件」をモチーフにした「笑い男になる鏡 “Laughing Man Mirror”」のコーナーなど、原画の海を巡るだけにとどまらない趣向が凝らされている。

片山真理による「you’re mine #000 / #001」
ANREALAGE 森永邦彦による「SCREEN」
草野絵美による「EGO in the shell」(制作年:2025年)
UNLABELED (Qosmo×Dentsu Lab Tokyo)による「AI監視社会のカモフラージュ」
アニメ制作で使用された「カット袋」を来場者が自らの手でめくり、内部に収められた複製原画を持ち帰ることができる有料の参加型体験“Analog Dig”も
GALLERY C 「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」限定ショップ

GALLERY C 「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」限定ショップ
最後の大空間には、これまた想像を絶する規模の「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」公式グッズが並ぶ。展示原画から厳選された1000点以上の原画を収録し、撮り下ろしインタビューも掲載された公式図録(7700円)をはじめ、数々のオリジナルグッズ、参加アーティスト、著名ブランドと『攻殻機動隊』とのコラボレーションアイテムなど多数が展示販売されていた。
そして、2026年には新作TVアニメーションが…

原作『攻殻機動隊』の舞台となっているのは2029年。その意味では『攻殻機動隊』の電脳世界はまだまだ終わらないどころか、むしろここから現実世界とリンクしてくるのかもしれない。
そして本展の開催初日に合わせ、監督:モコちゃん(『ダンダダン』副監督、Netflixシリーズ『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』)、シリーズ構成・脚本:円城塔による、さらなる新作TVアニメーション『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』の制作が発表された。劇場アニメ、TVアニメ、ゲームなどで、さまざまな解釈と展開を見せてきた本シリーズが新作でいかなるベクトルを示すのか、期待して待ちたい。
新作TVアニメーション『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』

原作:士郎正宗『攻殻機動隊』(講談社 KCデラックス刊)
監督:モコちゃん
シリーズ構成・脚本:円城 塔
キャラクターデザイン・総作画監督:半田修平
アニメーション制作:サイエンスSARU
2026年7月 カンテレ・フジテレビ系全国ネット“火アニバル!!”枠にて
毎週火曜よる11時放送開始
TVアニメ『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』公式サイト:
https://www.theghostintheshell-anime.jp/
©2026 Shirow Masamune/KODANSHA/THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE
【攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 開催概要】
期間:2026年1月30日(金)~4月5日(日)
時間:
月曜日12:00~18:00
火曜日~木曜日12:00-21:00
金曜日12:00~18:00予定 ※イベントなどにより変更
土曜日、日曜日、祝日10:00~21:00
※最終入場 各日閉館30分前
会場:東京都 TOKYO NODE GALLERY A/B/C
公式サイト:https://www.tokyonode.jp/sp/exhibition-ghostintheshell/
©士郎正宗・講談社/攻殻機動隊展Ghost and the Shell製作委員会
©Shirow Masamune/Kodansha/Ghost and the Shell exhibition committee
















