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【国立映画アーカイブ】上映企画「NFAJコレクション 2022 冬」開催!

東京・京橋の国立映画アーカイブでは、上映企画シリーズ『NFAJコレクション』を新しくスタートする。
所蔵コレクションから多彩な映画を詰め合わせて紹介する本企画。宝探しのように未知の映画に出会う醍醐味も交えて、改めてスクリーンで見たい名作や個性的な作品などを、週末にフィルム上映で楽しめる。

冬コレクションは、秋コレクションに引き続き、日本映画をはじめ外国作品も含め、劇映画、ドキュメンタリー、アニメーション、実験映画など様々なジャンル、また古典期から現代までの広範囲にわたる約80,000本の国立映画アーカイブ所蔵コレクションから厳選したラインナップを上映する。

■円谷英二の貴重な監督作を上映!
『ゴジラ』や『ウルトラマン』などを手掛け、日本における特撮のパイオニアである円谷英二が戦前に監督・撮影した、当時の海軍省後援の長篇国策記録映画『赤道越えて』(1936)を上映。横須賀を出航し、台湾、香港から南洋諸島をめぐる海軍の練習艦隊に半年間にわたって同行して制作された本作は、上映される機会が極めて稀。この機会は見逃せない。

■若かりし頃のスターの出演作を上映!
日活でデビューののち、ヴァンプ役を続けて演じ活躍していた筑波久子が、19歳で主演したメロドラマ『仮面の女』(1959)。20代の勝新太郎が新任町奉行を軽快に演じた『町奉行日記 鉄火牡丹』(1959)。キャリア初期の三國連太郎が、映画撮影所を舞台にエキストラからスターに上り詰める俳優を演じた日活映画『泥だらけの靑春』(1954)。同じく撮影所を舞台とし、映画で主演としてキャリアを積み始めたころの西島秀俊が転落するスター俳優を演じた『LAST SCENE』(2002)も上映。スクリーンで、若手時代ならではのみずみずしい演技を楽しみたい。

■巨匠たちが人権をテーマに監督した作品も上映
女性映画やメロドラマの巨匠として知られる成瀨巳喜男が、北海道を舞台に、コタン(アイヌ村落)で差別意識と闘いながら強く正しく生きていこうとするアイヌの姉弟を描いた『コタンの口笛』(1959)を上映。本作は北海道出身でアイヌ音楽にも造詣の深い伊福部昭が音楽を担当している。
さらに、日本を代表する人形アニメーション作家の川本喜八郎が、室町時代を舞台に親鸞の教えを広く人々に伝えた宗教家・蓮如の生涯をドラマ化し、差別の問題を描いた『蓮如とその母』(1981)も上映。一度に90体もの人形を動かすダイナミックな群衆シーンや焼き討ちの描写は圧巻だ。

NFAJコレクション 2022 冬

(Films from the NFAJ Collection: Winter 2022)
会期:2022年2月11日(金・祝)~2月27日(日)※金・土・日曜のみ
会場:国立映画アーカイブ 小ホール[地下1階]
定員:151名(各回入替制・全席指定席)
HP:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/nfaj-winter202201/
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
前売指定席券 [Pコード:551-911]
2月1日(火)以降、毎週火曜日10:00amより、チケットぴあにて翌週(金~日)上映回の前売指定席券(全席指定席)を販売。
▷一般:520円/高校・大学生・65歳以上:310円/小・中学生:100円/障害者(付添者は原則1名まで)・国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズ:無料
※前売指定席券のみ販売。館内でのチケットの販売は無し。
※障害者(付添者は原則1名まで)・キャンパスメンバーズも、前売指定席券が必要

〈上映作品〉

1 『赤道越えて』(1936、監督:圓谷英二)
2 『泥だらけの靑春』(1954、監督:菅井一郎、出演:三國連太郎、乙羽信子)
3 『仮面の女』(1959、監督:阿部豊、出演:筑波久子、葉山良二)
4 『町奉行日記 鉄火牡丹』(1959、監督:三隅研次、出演:勝新太郎、根上淳)
5 『コタンの口笛』(1959、監督:成瀨巳喜男、出演:久保賢、幸田良子)
6 『女の叫び』(1978、監督:ジュールス・ダッシン、出演:メリナ・メルクーリ、エレン・バースティン)
7 『蓮如とその母』(1981、監督:川本喜八郎、声:大門正明、池上季実子)
8 『ドグラ・マグラ』(1988、監督:松本俊夫、出演:松田洋治、桂枝雀)
9 『LAST SCENE』(2002、監督:中田秀夫、出演:西島秀俊、若村麻由美、麻生久美子)

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