Watch

全解説キャメロン本人の書き下ろし! 『テック・ノワール ジェームズ・キャメロン コンセプトアート集』12月に世界同時期発売!!

ジェームズ・キャメロン初の集大成作品集『テック・ノワール ジェームズ・キャメロン コンセプトアート集』(玄光社)が、2021年12月22日(水)に発売される。

『ターミネーター』から『アバター2』まで制作秘話満載。全解説をキャメロン本人が書き下ろし。初版は5000部限定となる。

収録アートは『殺人魚フライングキラー』から『ターミネーター』『エイリアン2』『タイタニック』『アバター』など監督作のほか、ドラマ『ダークエンジェル』など映画以外のデザイン画、設計図、コンセプトも収録。

監督デビュー作として温めていた幻のSF映画『Xenogenesis』の設定やストーリー、コンセプトアートも紹介する。
さらに、幼少期に描いたマンガ、異星人や遥か遠い世界、驚異的なテクノロジーを描いた学生時代のスケッチ、全然売れなかったポスター、ボツ企画のために描いた絵、下積み時代に描きまくった低予算映画のポスターや美術・デザインまでも掲載。
全編キャメロンの語りで構成された本書には、歯に衣きせないエピソードや映画撮影の裏話が満載だ。

B級映画の帝王ロジャー・コーマンのもとでは働きはじめたきっかけ、苦いデビュー作『殺人魚フライングキラー』の現場での出来事、『エイリアン2』でギーガーを採用しなかった理由やスタン・ウィンストンとの会話から生まれた名キャラクター誕生秘話、“ケンカ屋”ならではのトラブルの数々や女性観など、キャメロンのデザイン哲学はもちろん、飽くなき好奇心や膨大な知識、私生活までが明かされる。

なお、キャメロン本人のディレクションによる本書では、画像の発売前公開を厳しく制限されているため、本書のテキストを以下に抜粋する。
全ページこの濃度でアート&テキストが掲載されている。

『エイリアン2』

これは、『エイリアン2』のプリプロダクション時に、スタン・ウィンストンと彼のチームのために描いたエイリアン・クイーンのイラストだ。フルサイズのエイリアン・クイーンをどう動かすかという基本的なコンセプトは決まっていたが、具体的な方法を考える必要があった。私は、エイリアン・クイーンのなかに2人のスタッフを入れようと考えた。2人は背中合わせになり、頭がちょうどエイリアン・クイーンの胸部にくるようにする。左側のスタッフは、2本あるエイリアン・クイーンの左腕のうちTレックス風の小さいほうを右腕で操作する。そして左腕でクイーンの大きいもうひとつの左腕を動かすんだ。右側のスタッフも同じことだ。説明を受けたスタンは「そんな突拍子もないアイデアは聞いたことがない」と言ったが、私は「とにかく試してみよう」と説得した。まず、中に入る2人のスタッフの体形に合わせた座台をファイバーグラスを使って超特急で制作した。その座台に2人を乗せてクレーンでクイーンの胸部の位置まで持ち上げ、彼らの上から黒いゴミ袋や発泡スチロールで覆っていく。エイリアン・クイーンの頭は、約2.5メートルもある大きな発泡スチロールの芯を作り、それを座台に取りつけてゴミ袋で覆った。腕はほうきで作り、それにもゴミ袋をかぶせた。ゴミ袋のせいで全体が黒光りして、粗削りではあるがすでに映画のエイリアン・クイーンの雰囲気はあったね。

スタンのチームのシェーン・マハンとディック・ワーロックが中に入り、私が「腕を動かしてくれ!」と言うとエイリアン・クイーンの2本の大きな腕が前後に揺れながら動きはじめた。次に「Tレックスの腕のほうも頼む」というと、大きな腕と連動して小さな腕も動きはじめたんだ。そのとたん、目の前のゴミ袋の塊に命が吹き込まれた。「足はどうする?」とスタンが言い、私たちは発泡スチロールを足の形に切ってやはりゴミ袋をかぶせ、エイリアン・クイーンの胴体につないだ。そして、スタンの別のスタッフに棒を使って文楽の黒子のように動かしてもらったんだ。最後に尻尾を作り、これはまた別のスタッフが釣り竿で操作した。
(146p本文より)

『テック・ノワール ジェームズ・キャメロン コンセプトアート集』

発売日:2021年12月22日(水)
仕様:B4変型判 336ページ
ISBN:9784768315514

Amazon:https://amzn.to/3DNHq61

出版社:株式会社玄光社:http://www.genkosha.co.jp/

pagetop