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『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』イベントで大盛況スタート!
「映画のまち調布 シネマフェスティバル2026」開催中

複数の映画撮影所や多くの映画関連企業を有し、「映画のまち調布」事業を推進している東京都調布市。その恒例のイベントとして、毎年2〜3月に開催される「映画のまち調布 シネマフェスティバル」(主催:調布市文化・コミュニティ振興財団/調布市)が、今年も華やかに開催中だ。3月1日までの会期中に、人気投票により選ばれた作品の上映、および「映画のまち調布賞」の発表、特別展示、ワークショップなどが目白押し。VECTOR MAGAZINEでは、開催2日目の2月7日に行われたふたつの『ガメラ』関連イベントを中心にその様子を紹介する。


右から金子修介、中山忍、螢 雪次朗、三池敏夫の各氏

①CINE_WORKS展_Part2「調布市制施行70周年 ガメラ&特撮と歩んだ60年」
 特撮美術監督:三池敏夫氏によるギャラリートーク

調布市文化会館たづくり2階、北ギャラリーでは、今回の上映作品である『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999年)を中心とした平成ガメラシリーズ3部作の資料展示が行われている。この日は、この展示に協力した特撮美術監督の三池敏夫によるギャラリートークが午前・午後の2回行われ、会場は特撮ファンであふれた。


会場には三池の寄稿による解説パネルの数々が。

三池は、まず平成ガメラシリーズの第1作となった『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)の立ち上げ時の苦労から語った。すでにヒットしていた東宝の平成ゴジラシリーズに対抗すべく、大映(現KADOKAWA)が『ガメラ』の15年ぶりの映画化を決めたものの、当時の大映スタジオには昭和ガメラシリーズで使用されたミニチュア素材などは一切残っておらず、ゴジラに比べて予算が少ないなか、すべてイチからのスタートだった。


『ガメラ 大怪獣空中決戦』
美術セット ミニチュア製作一覧
佃島、浅草寺、城南島などが舞台として検討されていた。

展覧会には、3作それぞれの図版資料とともに、珍しい企画検討段階の文字資料も。たとえば『〜大怪獣空中決戦』の文字資料には、本編には登場していない「佃島」や「浅草寺」などの記述が。
「最初は、ギャオスが巣を作る東京タワーは佃島のタワーマンション、クライマックスのコンビナートは浅草寺が舞台だった。それが樋口真嗣監督の意見もあって、現在の形に落ち着いたんです」。三池がそう語ると、会場のファンがざわつく。


  • 『ガメラ 大怪獣空中決戦』
    セットプラン11 吊り橋のシーン
    中盤のヤマ場となる吊り橋。特撮カットは、吊り橋の真ん中から一方を見るアングルに限定して描くことで、予算の効率化をはかると同時に、本編シーンのスリリングな効果を高めた。

  • 『ガメラ 大怪獣空中決戦』
    東京タワー図面と2枚の現場写真
    東京タワーは、1/70スケールで作られた。ギャオスが巣を作る展望台部分は、1/35スケールのものも制作。

2作目『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年)では、完全再現された札幌すすきののセットプランや検討用模型と段階を踏んでの資料とともに、精細な街の再現がどのような過程を経て具体化したかの経緯が語られ、札幌と仙台に現れる草体についてのエピソードも語られた。


『ガメラ2 レギオン襲来』
草体
草体は、札幌と仙台で2度登場するが、ミニチュア本体は同一のもの。周辺のパーツを付け替えることで、その成長過程を表現した。

そして今回、上映もされた3作目『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』では、夜の渋谷、京都駅の場面を中心にした資料とトークがメインとなった。しかし、3作目では写真と絵コンテを組み合わせた資料が多く、なぜかセットプランがあまりない。この理由について三池が「3作目になると、樋口監督が前2作でやったことのない難しい特撮カットを目指そうとします。ひとつのセットでワンカットだけの撮影、しかも樋口監督の要求が高く現場判断が多くなり、セットプランを事前に決められなくなったんです」と語ると、どこまでもクオリティを追求する監督と特撮美術スタッフのシビアな仕事ぶりを想像した聴衆が静かにどよめく瞬間も。


  • 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』
    渋谷セットプラン①パンテオン前シークエンス
    『ガメラ3』では、渋谷駅前をリアルに再現するため、航空写真と絵コンテを組み合わせて詳細な画角の検討がなされた。実景の本編とカットバックされるミニチュア場面を違和感なく溶け込ませるために、ミニチュアは前景・中景・後景を別々に撮影して合成し、すべてにピントがあうようにするなど、とてつもない手間をかけている。

  • 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』
    渋谷セットプラン④ビル切断カット
    尺の都合などで、実際には撮影されなかったシーンの絵コンテも。

  • 『ガメラ3』での京都駅の特撮美術セットの大判シートと、前田真宏によるガメラデザイン画をスーツサイズに拡大したパネル。いかに大きなセットとスーツが作られたかが、展示で体感できる。

  • 特撮照明の林 方谷の制作による、昭和の大映スタジオのセットの雰囲気を再現したボックス模型。当時のスタジオの活気がボックスのなかにあふれているようだ。

現場秘話満載のトークが積み重ねられるほど、ファンの関心は高くなり、最後にはフリーの質問まで飛び出して、熱気に包まれるなかギャラリートークが終了。最後には三池を囲んで、記念撮影も行われた。

②『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』 特別上映&トークイベント

さて、その数時間後、今度は会場を「イオンシネマ シアタス調布」スクリーン5に移して『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』の上映と金子修介監督、長峰真弓役の中山忍(1、3作目に出演)、大迫力役の螢 雪次朗(3部作に出演)のトークイベントが行われた。

人気シリーズだけにイベントは定期的に行われるものの、この3人が会するのは実に5年ぶり。トークでは螢が、長崎県警の警部補だった大迫が、3部作を通してたどる悲惨な運命を「怪獣のせいでこうなったと思ってたんだけど、あらためて作品を見ると、長峰にそそのかされて人生狂ってる気がするなあ」と痛烈なジャブを放ち、中山を困惑させる一幕も。しかし、金子監督が「長峰と大迫との間には特別な感情があるんですよ。人間愛ともいうべきものが」と説明すると、互いに共感。

ところで、昨年11月の『ガメラ 大怪獣空中決戦』4K HDR ドルビーシネマ復活上映記念舞台挨拶の場では、中山が金子監督に「令和ガメラが観たいです」と直談判したことが話題になったが、この日は螢が「僕は『3』のラストの、ギャオスの大群にガメラが向かっていくラストが任侠映画っぽくて好きなんですが、どうするんだよ、この後を見せてくれよという気持ち」と詰め寄ると、なんと金子監督から思わぬひとことが!
「あの〜忍ちゃんに迫られて、このたび解決しました。どうすればいいのかを」

すわ、令和ガメラ実現か? というこのひとことに、もちろん会場は大盛り上がり。中山も螢も、ふたりそろっての出演を改めて要求した。

見どころ満載で3月1日(日)まで開催中

こうしてにぎやかなスタートを切った「映画のまち調布 シネマフェスティバル2026」は、3月1日まで開催される。「ガメラ」関連では、映画『小さき勇者たち〜ガメラ〜』が2月23日(月・祝)に上映。田﨑竜太監督、俳優の津田寛治によるゲストトーク付きの上映だ(チケット発売中)。また三池敏夫が熱く解説した北ギャラリーのガメラ関連展示は、会期末まで見られる。そのほか『国宝』や『侍タイムスリッパー』など話題をさらった作品、調布市名誉市民の水木しげる原作の『ゲゲゲの鬼太郎 大海獣』、さらに昨年大好評を博した調布市在住の映画監督・田口清隆監督作品特集上映なども開催される。展示もVIPO(映像産業振興機構)による東映京都撮影所と前進座の資料展示など、映画文化を多角的に堪能できる企画が満載。この機会に、ぜひ一度「映画のまち調布」を訪れてみてほしい。

  • 展示「天下御免!東映京都撮影所物語/劇団前進座の映画史」
    主催:国立映画アーカイブ 運営:特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)

 

【映画のまち調布 シネマフェスティバル2026】

開催期間:2026年2月6日(金)~3月1日(日)
会場:調布市文化会館たづくり、調布市グリーンホール、イオンシネマ シアタス調布 ほか
主催:(公財)調布市文化・コミュニティ振興財団 / 調布市

公式WEBサイト:https://chofucinemafestival.com/

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