『ウイングマン』実体化! 監督:坂本浩一の仕事
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国際派マンガ家・桂正和の連載デビュー作、80年代を席巻した『ウイングマン』
マンガ家・桂正和が描く『ウイングマン』は、1983~85年まで「週刊少年ジャンプ」で連載されたSFコミックだ。
中学生・広野健太は、下校中、謎の美少女・アオイと遭遇。彼女は、異次元世界・ポドリムスから来た異次元人で、書いたことを実現させてしまう「ドリムノート」を持っていた。それを知らない健太は、ノートに自作のヒーロー「ウイングマン」を書き込んでしまう――。
作者が特撮番組の大ファンだったため、初連載作『ウイングマン』には、当時、放映され大人気だった「宇宙刑事シリーズ」や「スーパー戦隊シリーズ」の影響が色濃く反映されている。また当時、全盛を誇っていた「ラブコメ」要素もあり、魅力的な美少女キャラクターが登場。SF+ヒーローアクション+ラブコメという独自の路線は、多くのファンを獲得した。
しかし、原作の健太は、ドラマ版のような高校生ではなく、思春期真っただ中の中学生キャラ。そんな健太をドキドキさせるアオイ、小川美紅、森本桃子、布沢久美子は、ディメンションパワーを使ってスーパーヒロインに変身。ついには「ウイングガールズ」を結成して、ファンを喜ばせている。
本作は、1984年に『夢戦士ウイングマン』としてテレビアニメ化。なお、ドラマ版6話において、アクション演劇部が作ったPR動画のBGMとして使われていたのは、アニメ版のエンディングテーマ「WING LOVE」だった。
作者の趣味と時代の流行が合致して大ヒットを記録した原作『ウイングマン』の魅力は、40年の時を超え、ドラマとなって現在のファンを魅了している。
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