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愛と情熱がボルトイン! 時代を超え蘇った『ボルテスV レガシー』

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現代のリアル・ロボットアニメを切り開いた『ボルテスV』

 

『ボルテスV レガシー』の原点、アニメ『超電磁マシーン ボルテスV』は、1977年から全40話が放送された。前年放映の『超電磁ロボ コン・バトラーV』の後番組で、共に東映・テレビ事業部が企画制作、創映社(日本サンライズ[『超電磁マシーン ボルテスV』制作時]、現・サンライズ)がアニメ制作を手掛けている。
総監督は、力強い人間ドラマを得意とする長浜忠夫で、俗に「長浜ロマンロボシリーズ」と呼ばれる一連の作品群は、勧善懲悪が王道だった子供向けアニメに、敵味方双方の複雑な人間関係、美形男性の悪役、運命的悲劇を加味。その長浜ロマンロボシリーズの中でも『ボルテスV』は、監督の持ち味が遺憾なく発揮された作品で、日本にアニメブームが起きる直前、ティーンエイジャーのファン、特に女性ファンを増加させた。
制作スタッフも、のちのアニメブームを彩る気鋭が揃っており、メカニックデザインは大河原邦男(中村光毅と共にメカマン名義にて)とスタジオぬえ、演出のひとりにとみの喜幸(現・富野由悠季)、アニメーションキャラクターのデザインや作画監督には、のちのサンライズ作品を牽引する佐々門信芳と金山明博。脚本には、田口勝彦の本名で「仮面ライダー」シリーズなど特撮作品の監督も務めた田口章一らが参加。『ボルテスV』は、同年スタートする日本サンライズの『無敵超人ザンボット3』とともに、後にリアル路線に進んでいくロボット物に大きな影響を与え、アニメが市民権を得る道を切り開いたエポックメイキングな作品だったのだ。

 

長浜忠夫(1932年~1980年)

アニメ監督、舞台演出家。人形劇団ひとみ座の演出部に所属していたことから、テレビの人形劇『ひょっこりひょうたん島』の演出を担当。その後、アニメ制作会社のAプロダクションへ入社。1965年、『オバケのQ太郎』アニメ作品の演出デビュー。また実質上の監督を務めた『巨人の星』が大ヒットする。一時期、アニメ界を離れるが、1975年『勇者ライディーン』総監督(第27話~最終話)で復帰する。

 

【長浜氏が手がけた主な作品】

オバケのQ太郎(1965年) 演出・絵コンテ

初回から30%以上の視聴率を誇り、同じTBSで直前の時間帯に放送した特撮作品『ウルトラQ』と合わせ「恐怖のQQタイム」として、他局から恐れられた。全95回。

 

パーマン(1967) 演出・脚本

制作は東京ムービーとトキワ荘の漫画家グループが設立したスタジオ・ゼロ。監督は「ラーメンの小池さん」こと鈴木伸一が務めている。全54回。

 

巨人の星(1968) 構成(第1話~第85話)・演出(第86話~最終話)

制作は東京ムービー。長浜は鉛筆書きの作画をそのままセルにコピーするトレスマシンを導入し、劇画調のアニメ表現を完成させた。全182話。

 

新オバケのQ太郎(1971) 演出

Q太郎役は曽我町子から堀絢子へ交代、本作よりU子とO次郎が登場。藤子アニメの中でも特に評価が高く、前作同様、高視聴率を記録した。全70回。

 

ど根性ガエル(1972) チーフディレクター(第81回~最終回)

長浜は、第9回から第80回までの演出を担当し、第81回からはチーフディレクターとして表記されている。最高視聴率は第52話の再放送時で34.5%を記録した。全103回。

 

侍ジャイアンツ(1973) 演出

アニメ制作はAプロダクション。当初はキャラクターデザインおよび作画監督を大塚康生が務め、1話の原画を宮崎駿が描いている。長浜は実質的な監督を務めていた。全46話。

 

勇者ライディーン(1975) 総監督(第27話〜最終話)

創映社(サンライズ)初のロボットアニメ。26話までは、富野喜幸(由悠季)が監督している。悪役のシャーキンは、美形悪役キャラの始祖的素因材となった。全50話。

 

超電磁ロボ コン・バトラーV(1976) 総監督

東映・テレビ事業部が初制作したアニメ作品で、制作を創映社が担当。美形敵役・大将軍ガルーダの悲劇が作品を盛り上げた。全54話。

 

超電磁マシーン ボルテスV(1977) 総監督

長浜ロマンロボシリーズの第2作。長浜の提案で、ストーリーの主軸に「父と子」の大河ドラマが盛り込まれた。全40話。

 

おれは鉄兵(1977) 演出(シリーズ前半)

ちばてつや原作の人気マンガのアニメ化。アニメ制作はシンエイ動画、レイアウトを大塚康生、芝山努が担当している。全28話。

 

闘将ダイモス(1978) 総監督

長浜ロマンロボシリーズの第3作。「ロミオとジュリエット」をモチーフにした異星人同士の恋愛要素が盛り込まれた。全44話。

 

未来ロボ ダルタニアス(1979) 総演出

「三銃士」がモチーフになっているが、美形悪役は登場しない。長浜はアニメ『ベルサイユのばら』参加のために途中で離脱している。全47話。

 

ベルサイユのばら(1979) 総監督(第1話~第13話)

池田理代子原作の人気マンガのアニメ化。フランスでも『Lady Oscar』のタイトルで放送され、好評を得ている。全41話。また2025年には新作劇場用アニメが公開予定。

 

宇宙伝説ユリシーズ31(1988) 日本側チーフディレクター

日仏合作作品。制作中の1980年に長浜が急死。以降は、作画監督の荒木伸吾らが中心となり完成させた。フランスでは1981年、日本では1988年放映。全26話

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