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日本最高記録の支援者を得て、映画『この世界の片隅に』の製作が正式に決定!

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日本のアニメーション映画製作に新たな可能性を拓くか。

VECTOR創刊号特集記事で紹介した、長編アニメーション映画『この世界の片隅に』。クラウドファンディングの記録的な成功を得て、6月3日、製作が正式に決定した。

 

この作品は、1944(昭和19)年から1945(昭和20)年の広島・呉を舞台に、戦争という巨大な特殊状況の下ではあるが、ささやかな毎日を丁寧に紡いでいく若い主婦とその家族を描く物語。

原作は広島出身のマンガ家・こうの史代による同名マンガ。監督は『マイマイ新子と千年の魔法』の片渕須直、アニメーション制作はMAPPAが担当する。2016年秋公開予定。配給は東京テアトル。

 

約4年ほど前から製作準備を進めていたが、製作資金の調達が難航。正式な製作開始に至っていなかった。企画プロデュースを担当する株式会社ジェンコとアニメーション制作を担当する株式会社MAPPAは、クラウドファンディングによる製作準備資金の調達を決断。株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディングのサービス「MAKUAKE」を活用して本年3月9日から5月29日まで82日間のクラウドファンディングを実施した。その結果、日本国内の最高記録となる3,374名の支援者を獲得。金額も当初目標の2000万円を大きく超える3622万4,000円の支援を得た。この記録的な成功を受け6月3日に『この世界の片隅に』製作委員会が正式に発足した。

 

また、製作委員会が発足した6月3日同日、作品の舞台となる広島では、「『この世界の片隅に』を支援する呉・広島の会」が発足。平和記念公園レストハウスの3階で発足式が開かれ、監督の片渕須直、プロデューサーの丸山正雄と真木太郎が出席した。片渕は「大きな歴史を構成しているのは、ひとりひとりの暮らしです。今年は戦後70年ですが、70年前よりさらに前の、普通の町であった広島や呉の姿を描きたい」と語った。

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片渕は当時の写真や地図、文献のほか当時近くに住んでいた方からも聞き取りを行い、当時の町の再現に挑む。

会場に聞き取り取材に協力した元住民3人も出席。壁一面に貼られたレイアウトなどの制作素材や、街の様子が描かれた美術ボードに見入っていた。

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片渕は、公開の時期について、戦後70年の今年のほうがよかったのでは?という問いに対し、「この映画は、毎日は続いてゆくことを描く映画です。戦後70年で何が終わるのではなく、続いていく。だからむしろ区切りの年の公開ではないほうが良いように思っています」と答えた。

 

日本中からの「この映画が見たい」という声に後押しされて作られる映画。

日本のアニメーション映画制作の新たな可能性を拓くことができるのか。

その動向を今後も公開まで追っていきたい。

 

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